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言語聴覚士に求められる力

言語聴覚士が対象とするのは、お年寄りや幼児、後遺症で悩む方々など様々です。 その中でも主要な治療はおおむね3つあげられます。

ひとつは失語症の治療です。失語症とは言葉の理解と表出が極めて困難になってしまう障害のことを言います。実際にはカードに描かれた絵をみながらそのものの名前を言ったり選んだりする地道な訓減が行われることになります。失語症は脳卒中や脳梗塞などの後遺症によって引き起こされることが多いものとなります。

また摂食・嚥下(えんげ)障害も言語聴覚士が行う治療のひとつです。摂食・嚥下障害とは食べ物をうまく食べたり飲み込んだりできなくなる障害で、食生活上非常に大きな問題となります。生きていくこと自体に深刻な影響を及ぼすだけに状況を改善する訓練が必要となり、言語聴覚士は水やゼリー、実際のご飯などを使用して訓練を行います。摂食・嚥下障害は加齢に伴って起こるのが主な原因です。

高次脳機能障害の治療が3つ目にあげられる言語聴覚士の主要な治療のひとつとなります。高次脳機能障害というのは脳の損傷が生じることによって、言語、思考、記憶、行動、学習、注意なさまざまな機能に障害が起きてしまう状態のことをいいます。記憶や注意など多様な症状が現れることにになり、その症状に応じて機能訓練や生活訓練などが行われます。この障害は事故による頭部外傷で発生することがその原因となることが多くなります。

この3つの治療をとってみても、患者さんは自らの意思とは関係ないところでこうした状況に陥ってしまい、それそれ思い通りにならなくなってしまったことから実にもどかしい気持ちで一杯になりながら治療を受けることになるのです。それだけに絶望的な気分になることも多く、そもそも訓練以前の精神状態に追い込まれてしまうという難しい状況から治療をはじめてくてはならないのです。しかも事故が原因なら若い世代の方もいますし、接触・嚥下障害であれば高齢者が多くなりますから患者さんに合わせたコミュニケーションをとることが求められるのです。言語聴覚士が行う臨床現場では、知識や技術を保有していることはもちろんですが、それ以上に観察力や想像力、そして患者さんに的確に伝えるための表現力が必須のものになってくるのです。

とくに状況を適格に患者さんに伝える表現力というのはきわめて重要な言語聴覚士の能力のひとつとなってくるのです。同じことでも患者さんにモチベーションを与える言い方と絶望的な気分にさせる言い方とではまったく結果の異なるものになってきてしまいます。患者さんとは常に冷静に接しながら、治療を改善させていく適切な人間関係を築くことが実は重要な仕事になるのです。そのためには、まずはじめに患者さんの思いや心の傷といったものをしっかりと受け止めることができなくてはならないのです。つまりいかに豊かな人間性を発揮できるかが、言語聴覚士の力といえるのです。これは言うは易しですが、実際にそれぞれに状況が異なり性格も異なる患者さんに対して行っていくのは想像を絶する難しさであり、学校における座学や臨床研修だけでは到底習得しきれない能力となります。それだけに毎日が実践の訓練となり、言語聴覚士としての本質的な能力を日々問われることになるのです。このような視点からみますと、細やかな気遣いと優しさ、豊かな包容力と感受性など女性ならではの特性や経験が活かせる職業であり、現実に直近の言語聴覚士有資格者の8割が女性であるというのは非常に納得のいく状況となています。

リハビリ専門職全般に言えることですが、患者さんを訓練する場合に、まず必要になるのが訓練プログラムの秀逸性よりも患者さんとの意思の疎通なのです。患者さんがしっかり理解し、納得し、そして言語聴覚士を信頼してくれるという環境が整ってはじめてすべての訓練は機能し始めることになるわけですから、これを構築することができない限り、なにも始めることができないのです。こうした人間関係の構築は患者さんのみならず,絶望のどん底に引き落とされてしまった家族の方々とも良好なコミュニケーションをはかることによって改善していかなくてはならないのです。失語症にしても脳機能障害にしても摂食障害にしても、患者さん自ら好き好んでなっている状況ではないですし、それが突然起こってしまったような不慮の事故や発病によるものの場合、とにかくご本人がその事実を認識し、理解して乗り越えていくという希望を持ちはじめなくては何の成果も出ないのです。実は言語聴覚士の仕事のなかで患者さんとの信頼関係を構築し、患者さんに前向きに考えるモチベーションを与えられるかどうかが、最大のポイントとなってくるのです。この力を発揮できる言語聴覚士こそが一人前のリハビリ専門職としてしっかり現場で機能していくことができるようになっていけるのです。多くの言語聴覚士はこの能力をまさに日々の現場治療でしっかりと身につけ、さらに改善を重ねているのです。

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