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作業療法士に求められる力

作業療法士は日常生活に必要な運動機能の回復を主な仕事としてますが、不慮の事故や病気により大きな障害を抱えてしまった患者さんは、夢や希望を完全に失ってしまったケースも多く、事務的に運動機能回復プログラムを提供してもそれにしっかり対応できる心の準備が整っていないケースがほとんどとなります。 したがって作業療法士はまず、運動機能の回復プログラムを実行する以前の段階で、患者さんとの心のつながりを再構築することで共感に結びつく作業から地ならしをしていくことがもとめられることになるのです。
これは想像以上に大変なことですし、相手の気持ちをいかに汲み取るかという精神的なつながりを模索する作業にもなってくるのです。患者さんとどのように向き合い、お互いを理解することができるようになるかは非常に難しいプロセスをはらんでいます。ある意味では治療だけを終えた医師よりも患者さんとの困難な関係に立ち向かっていかなくてはならなくなることも考えられ、かなり厳しい仕事になりますが、作業療法士にはまさにそれを乗り越えていく力が求められることになるのです。

患者さんとどのように向き合い言葉を交わせば信頼感が醸成されていくことになるのか、かなり厳しいコミュニケーションの試練を味わうことになりますが、こうした流れは100人の患者さんに接すれば100通りの違う方法を考えなくてはなりませんから確かに大変といえます。しかしそれを苦にしない前向きな気持ちをもって常に接していくことができれば、必ず状況を変化させていくことができるようになるのです。これこそが作業療法士がこの仕事に携わっている醍醐味であり大きな喜びにつながるものとなるのです。

また苦境に立っている患者さんの心の状況というものをいかに共感できるようになるかということも重要な能力となります。すべてを自分のことのように深刻に悩み、また状況が改善できれば自分のことのように喜ぶことができれば、その気持ちはきっと患者さんに伝えることができるのです。病気や事故で思いがけずに障害を持ってしまった人は、とにかく人生自身に絶望感を味わっていますから、ただ励ますというだけではなく、同じ心境で共感力を発揮できることが状況を改善させていくためには大きな力になるのです。

作業療法士は理学療法士と違って、精神的な障害をもった人たちが日常生活を送れるようにするという責務も担っています。こちらは事故や病気で障害をもった人たちとはまた大きく違う問題をかかえていますので、信頼感を得るとか共感するという行為自体がかなり異なるものとなるケースが多くなります。特に子供や高齢者などとなればそれぞれに異なる向き合い方をしていく必要がありますし、心がつながるようなことというのもまた大きく異なってくることになります。
ある意味で作業療法士の仕事は日々自己研ざんとの戦いであるともいえるのです。これまでの経験を生かしながらも常に新しいアプローチと患者さんや対象者に向けていく必要があるのです。こうしたアプローチを厭わず、また意思の疎通がはかられたときに達成感を感じることができる人こそ作業療法士適格者ということができるのです。人の痛みを知るというのは口ではいくらでも言えることですが、それを現実のものにしていくのは実に大変です。しかも自分とは必ずしも同世代ではない対象者との間で実現していかなくてはならないわけですから修行にも近い部分があるといえます。しかし多くの作業療法士は自分の考えと方法論をもってこうした難局を乗り越えてきているのです。これこそが作業療法士に求められる本質的な力というべきものなのです。

患者さんや対象者と心の通いあう距離をちじめる方法というのは、それぞれの作業療法士が自分で自ら考えぬいて編み出している方法に基づいています。特にきめられたメソッドがあるわけでもありませんし、一定の方法をとれば必ず成功するというものでもないのです。自らの力でこれを実現していけるようになれば、まさに一人前の作業療法士となることができるのです。
リハビリのプロセスにかかわる医療関係者は少なからず同じような思いをしながら仕事を乗り越えてきています。これが苦に思えるようでは到底こうした仕事を続けていくことはできません。

自分にとって作業療法士が適職かどうかを考えるときには、こうした点についても自らの力で乗り越えていく自信や強い信念があるかどうかについてしっかりと自らを振り返ってみることが重要になります。人に対する思いやりというのは確実に相手に伝わる瞬間があるものです。それは表面的なものではなく、本当に深い心から相手を思いやっていることがわかれば必ずどんな相手にも到達するものです。技術的、あるいは医学的な知見を高めることはもちろん必要となりますが、それ以上に一人の人として患者さんや対象者から信頼される人物になれるかどうかが作業療法士として力を発揮できるかどうかの大きな分かれ目になってくるのです。

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